ジャズベースの口説き方

ジャズベースとjaco pastoriusをこよなく愛する、Webライターによる改造日記。ジャズベースから好かれる男になるためのモテテクhow toを面白おかしく、真面目に発信していきます。※女性ではなくジャズベースからモテるためのブログです。

映画『JACO』周辺アーティスト編〜

最近はめっきり寒くなってしまって、気づいたら今年も1ヶ月を切っていました。

やりたい事は山積みで、お会いしたい方も沢山・・・。そういったことは週末に詰め込んでいるのですが、最近パンク気味です。

 

パンクと言えばパンクジャズなんてものがある訳ですけど、その音楽は未だ1人しかおりませんね。

一見して相反するようなジャンル同士の組み合わせですが、音を聴けば納得してしまう。それこそヘビーメタルビバップといえばBrecker Brothers(ブレッカーブラザーズ)な訳ですが、納得のサウンドですよね。

じゃあパンクジャズとはなんじゃ、と。

 

そりゃジャコ・パストリアスですよ。
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「またか、またなのか」そんな声が聞こえてきそうですけど、現在絶賛上映中の映画『JACO』を見てまいりました。

 

映画『JACO』を見てきました

新宿のシネマカリテさんでね。

はじめて行ったのですが、面白そうな映画が沢山ありました。ヒッチコックの自伝?映画が特に心惹かれました。

小さな劇場でして、昨今のシネコンと呼ばれるような大きな商業施設なんかとは違って趣のある佇まいです。

 

2つのシアタールームがあり、98席のスクリーン1と76席のスクリーン2があるのですが、なんともこじんまりとしていて私は好きな雰囲気でした。

映画『JACO』も土日ともなると満席で予約必至です。朝10:10と夜20:30で1日2回の上映スケジュールなのも関係あるとは思いますが、こんなにもジャコファンがいる、という事実は嬉しいです。

ちなみにこれから観に行かれる方には前から3番目の列をオススメします。

私はいつもの感覚で真ん中後ろの方の座席(スクリーンを見上げるような感じにならず首が疲れないので)を選んだのですが、もっと前の方が楽しめたなぁ、と思いましたのでご参考までに。

 

さて、本編に入っていくとですね、

まだネタバレはしないでおこうと思いますが、是非劇場で観ることをオススメします!

 

もうすごかったです。完全にロックスターでした。

私は3回ほど涙を流した訳ですが、劇場でジャコ・パストリアスを観ることができるという事に感動したのと、ライブ映像のシーンが良かったです。あとは本編に関わることなので実際に観て涙を流してもらえれば、と思います。

 

本当に76-77年の僅かな間に凄まじい勢いで音楽史に衝撃を与え、その後の音楽を10年は速めたんじゃなかろうかと考えさせられるわけです。

 

前回エントリーにて、「ジャコを知らない人にもオススメ」と言いましたが、少し語弊というか70年代に活躍していたジャコの周辺アーティストは知っていないと心地悪い

 

と思う方もいるな、と思った次第です。

そう思ったのもですね、突然こうやって


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なんだこのロックなばあさんは・・・。と

次々現われる訳ですよ。

 

ちなみにこの方は

Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)

です。1977年にジャコ・パストリアスが見せた最高潮のウォーキングベースもジョニ・ミッチェルのライブでした。

 

このアーティストは私も大好きでして、普段あまり歌の入った曲を聴かないのですが、彼女の声と独特な節回しは心に響くものがあります。何よりここまでジャコを伸び伸び弾かせているボーカリストって少ないイメージなんです。

大体はジャコがボーカルごと食っちゃう、というか。主役はジャコになってしまうのですが、ジョニ・ミッチェルに関してはジャコのベースが軽やかで自由で、なのに邪魔しない。歌も個性を放っていてベースと対等に渡り合っている。

不思議なシンガーです。ジャンルでいうとアートロックなんですかね。フォークという枠では収まりが悪く感じます。

 

何曲かコピーしたのですが、曲調がミドル、スローでコード展開が少ないのでロストしやすかった記憶があります。

ジャコのハーモニクスと和音、フィルのフレーズ、もはや完全に独立した上乗せ楽器なのですが妙なマッチが見られて面白いくらい惹かれてしまうんです。

是非コピーする事もオススメします。この時期のジャコのサウンドは深みもあって、トリッキーです。弦高も低いセッティングというか、低音の響きが深いです。開放弦の広がりがとにかく気持ちいいです。

 

ジャコ・パストリアスが参加したアルバム

ドンファンのじゃじゃ馬娘(原題:Don Juan's Reckless Daughter)

ドンファンのじゃじゃ馬娘

 

⚫逃避行(原題:Hejira)

逃避行

 

⚫Mingus

Mingus

 

⚫Shadows and light

Shadows & Light

 

どれも名盤です。浮遊感のある曲調にジャコの甘いフレットレスサウンドが見事に調和しています。これはベースを重ね録りしていて、コードを弾いているパートとメロディを弾いているパートがあったり、かなりベースという楽器がフィーチャーされています。伸び伸びとしたジャコのプレイは本当に脂の乗り切った最高の状態でした。

 

ジャコとの出会いは劇中でも語られていますので、是非チェックしてみてくださいね。

 

お次はこの方。
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やさぐれたシーズー犬ではありません。

お恥ずかしい事に私自身もジャコを通してはじめて音源を聴いたアーティストでして、他の楽曲がどんなものなのか詳しくは知らないんですね。

Ian Hunter(イアン・ハンター)です。

 

何かとジャコのムック本などでメッセージを寄せていたりするのですが、どこか辛辣というか、現実的な方なんでしょうけど。

やさぐれシーズーとか言ってしまう私の器量の小ささは気にしないでください。

ジャコ・パストリアスが参加したアルバム 

⚫All-American Alien Boy

All American Alien Boy

 

AAABですよ。巷で流行りのね。主役はジャコ太郎です。

けだるい感じのボーカルももちろん良いんですが、表題曲では「うわ、これ絶対ジャコ入れちゃダメでしょ」みたいなレベルでソロ弾きまくってて気持ちいいです。ダメではないんですけど。でもこの時点でジャコのアルバムになりました。

全編通してジャコのベースが聴けるので、ジャコファンとしては押さえておきたいアルバム。途中ジャコがアコギも弾いてます。

 

さてお次は重要な人物ですよ。
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ヒキガエルの親分ですね。ヒキガエルは異物を飲み込むと胃袋ごと吐き出すんですよ。絶対にやらないでくださいね。

冗談はさておき、彼は何を吐き出すかというと主に息ですね。

息を吐いて音を出すタイプの人間です。

 

生けるレジェンドです。ふざけた事言ってるとファンの方に怒られそう。

Wayne Shorter(ウェイン・ショーター)

この間Facebookでライブ配信をしていました。チューニングをしてちょっとしか吹いてませんでしたが、それだけでも30分見た甲斐があったな、と思わせる深みのある音でした。

彼はWeather Report(ウェザー・リポート)のメンバーで、ジャコとずっと同じステージに立っていたんですね。何かと他のゲスト参加でもジャコと一緒にやっていたり。

 

ウェイン・ショーターは寡黙な人物で、ジャコやジョー・ザヴィヌルには相当振り回されていたようです。

1977年のWeather ReportでやったTeen Townのこの表情(1:58あたり)。さぐり合いみたいな雰囲気でバチバチしてます。
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Weather Report - Teen Town - YouTube

 

彼のプレイはWeather Reportを聴けば分かると思いますが、個人的にはこちらのソロアルバムも好きです。

Native Dancer

ネイティヴ・ダンサー(期間生産限定盤)

結構ドラマチックな展開が多いですが、Weather Reportほどガツガツしていないので聴きやすい印象です。

 

お次もジャコを知る上で必ず出会うことになるプレイヤーです。
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あのジャコに影響を与えたベーシスト。

Jerry Jemmott(ジェリー・ジェモット)

ベーシストなら絶対抑えるべきプレイヤー

 

彼は85年リリースのジャコの教則ビデオでホストを務めています。
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ジャコへ与えた影響は大きく、アレサ・フランクリンウィルソン・ピケットロバータ・フラックなどなど、ソウル、R&Bのシンガーを支えてきたベーシストです。

⚫Live at fillmore west

ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト

キング・カーティスの名盤です。ド頭からグルーヴィーなベースにやられてしまうでしょう。

ジェリー・ジェモットのベースラインを聴いていると、ジャコの弾く16分のフレーズなどがどうやって作られたのかが分かってきます。

 

高校生の私はこの辺りのアーティスト(へ影響を与えたアーティストも然り)を手当り次第に聞いていたのですが、全然顔と名前が一致しなかったんですね。

一致しなさすぎて一時期「ジェームスジェマーソンと名乗るロンカーター」が夢に出てきてクイズを出してくる、という悪夢を見ていました。


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明らかにロンカーターなんです。すごいでかかったし、「私はダブルベースを弾くんだけど・・・」的な事を言うんですね。

間違えると不機嫌な感じで、「まあ頑張って」と言って去っていくんですけど、

クイズに正解したある日、何故かジェームスブラウンが出てきてファンクベースの極意を教えてくれました。

 

なんでやねん

そこはブーツィー出しとけよ、と夢の中でも思いました。

そこから一時期ファンクにハマったのですが、そんなスピリチュアリズムな話はおいといて・・・

 

これはごく一部ですが、ジャコ関連アーティストで特に重要なアーティストたちです。今回の映画では周辺アーティストのインタビューに多く時間が割かれていて、私も時々「あれ、この人なんだっけ・・・」となるくらい、次々と色々な人が登場します。そしてみんな歳を取っているから顔だけじゃ分からない・・・。

背景を知っているともっと楽しめる映画だと思うので、一度見た方も復習を兼ねてもう一度見に行きましょう。これだけ素晴らしいアーティストたちがインタビューに答えるというのもなかなかない機会です。

補足的な内容になりましたが、興味を持っていただければ幸いです。

また何かの機会に今回紹介していないアーティストも随時紹介していきます。

 

では