前回エントリーまでで、一応の書いておきたかった最低限の事は書けたので、今回は少し番外編といいますか、数エントリーを書いての反省点や今後の予定、企画について私の思っていることなんかをつらつらと述べてみようかと思います。
それだけではなんの収穫も得られない記事になってしまうのでジャコのネックについてああだこうだと書いてみなさんと情報共有できればと思います。
反省点
まずは、話題をまとめる事
これまでの記事も当初は一つのものを3つに分けたりすることもあり、分けたにも関わらず、話題が飛び火して、気づけば辺り一面火の海ー…
(※画像はイメージです)
といった事も少なくありません。こうなってしまうと読み手も何が言いたいのか分からなくなってしまう、と火消しする訳ですが、文字数は増える一方で気づけば4000文字だったり…。
炎上するような事がないよう気をつけたいですね。あくまでも話題に火をつけるのは自分だけで・・・。
これからは、記事一つにつき3つ程に内容を留めるよう心がけ、文章の方も磨けていけたらと思います。
そして文章ですね。
ついつい楽しくなって余計な事を書きすぎる点、括弧書きの注釈付け過ぎ問題など、
改善点は山ほどありますが、まだ自分に合ったスタイルというものが掴めていないので、ある日突然変わるかもしれません。
これは芸能界を生き残る為に、突如毒舌キャラになったり、おバカキャラになったり、はたまた政治家になったりするタレントさんと同じですので、温かく見守っていただければ幸いです。
といっても大きな変化はしません。根っこはジャコ好きでジャズベ好きな狂人ですので。
あとは更新ペースです。
現在週末に更新するスタンスを取っているのですが、これまでの記事は参考文献を当たる必要があったため週をまたいでの更新が何本か続く事があり、一定のペースを維持する事ができていませんでした。
これからしばらくは個人的な改造となるので、参考文献の確認も要らず、自由な内容でもう少し更新が安定するかと思われます。
挙げればキリがありません。
もっと気楽にやればいいのでしょうが、私は石橋を叩き割って、その破片すらも粉々にするほどの力の持ち主…ではなく慎重な性分ですので、面倒な事をいつも考えています。
実際このブログをつくるまでに数年の構想、ノートは数十ページに渡って書き方や心得、想定読者層、タイトルアイデア、主題、エントリーの内容、順番、展開、と書き殴って、最終的に勢いで作りました。(最後はいつでも勢いです)
しかし、悩みに悩んで始めた甲斐あって、おかげさまで毎日楽しく書かせていただいています。
文章を好きなだけ書いていいというのは幸せなことです。
これを仕事にできたら…という淡い期待(というか夢です)もありますが、単純に読んでくださるみなさんとの情報共有を楽しんでいます。
勿論、お仕事とお声がかかれば飛んで参りますのでお声かけくださいね
あと飲みに、遊びに誘っていただければどこへでも!
目玉企画
さて、今後の予定に話を移すと、
十代の頃からちまちまと誰に言うでもなくやっている改造などを振り返りつつ、現在取り組んでいる事などもこの場で発信していくつもりです。
こんなのやってみたら、という提案もいつでも受け付けていますのでガンガンいってください。
フットワークの軽い意欲と根気の塊ですので
ブログといえば、看板となる企画なんかもつきものですよね。
これについてもいろいろと構想を練っていて、ジャズベースのブログですので、それにまつわる何かということで、
ジャズベースの元祖、それはジャズベースが世に誕生する前の1958、1959年に遡ります。
fender jazzbass prototypeというものをみなさんご存知でしょうか。
数年前日本にも1台、このヴィンテージオブ ヴィンテージは存在しました。
(写真は『The Fender Bass:フェンダー・ベース・ヒストリー 』J.W.ブラック&アルバート・モリナーロ著 デイヴ・マダックス撮影 桑原さよ子 訳より借用)
いまいちサイズ感が伝わりづらいので合成してみました。
ピックガードをなくすとこのサイズ感も伝わりやすいかと
半透明にしたので、下の通常のジャズベースのピックアップとの比較も見やすくなりました。
このジャズマスターとも異なる特殊なピックアップ、ポールピースが弦の真下についております。
ギターのP90などのスタイルです。
ベースではDELANOなどで今も見かけるものですが、ポールピースは通常のジャズベースのものと変わらない直径ですね。
丁度シングルピックアップ2つ分、ErnieBall musicman Stinglayなどに見られるハムバッカーとほとんど同じサイズと見ても良さそうです。
フロントに至ってはなんとも形容しがたい大きなお弁当箱のような
それでいて、弦に対して5つのポールピースで挟むタイプ。
現在のジャズベースは1つの弦に対して2つのポールピース、計8本のポールピースで構成されています。
この形は現在には残っていません。
それ以外はコントロールも現在の62年モデルと変わりません。60年より前のものなのにスタックノブではないんですね。
ネックはPBのものを代用しているようです。
ジャズベースなのにスパゲティロゴという奇妙さ。
ジャズベース好きとしては黙って入られません。
という訳で、現在fenderは勿論、どこのメーカーも製造していないこのベースを流行りのDIYで作ってしまおう、という無謀なものです。
前々からピックアップのハンドワイヤリングに興味はあったので、試行錯誤しながら、時代錯誤なベースを現代に甦らせようという企画になります。
出来ればプロに頼みたいですが、私は割と自分でやってみて失敗するのが好きな体質でして。お金もないんでね…。
ピックアップは1からつくることになりますが、それ以外はジャズベースとプレシジョンベースからパーツを流用し、再現することを考えています。
多分しばらくはエナメルワイヤーの仕入れや、手巻き失敗談になりますので、他エントリーと並行して経過を書きます。
直流抵抗値など、詳細な事は現在調べている最中なので、情報お持ちの方、いらっしゃいましたらよろしくお願い致します。
完成が見えたら1エントリーにまとめて発信しますので、こうご期待!
といったところで、今回の本題、
Jacoのメインベースbass of doomについて
前エントリーでも触れたことなのですが、
62年製ボディに60年製ネックが取り付けられた可能性がある。と記述しました。
ではもう一度、ネックを中心に見直してみましょう。
しばし、私のジャココレクションと共にお楽しみください。
お分りいただけますでしょうか。
指板の境目が真っ直ぐです。扇状ならスラブ貼り、直線ならばラウンド貼りと前エントリーで書きました。
そうなるとラウンド指板ということですね。
62年なので時期によってはラウンド貼りも有り得るのですが・・・(1962年中期頃からラウンド貼りへ変わります。)
Bass of doomはシリアルナンバーも「64437」と判明しています。このシリアルナンバーですと、
55000-73000・・・1961年
あれ??
Fender/フェンダー シリアル 年代判別 | なんでも判別真贋鑑定まとめサイトさんによると、
50,000番~70,000番 1961年
60,000番~90,000番 1962年
という記述がありました。
後者を論拠とすると62年の序盤と見てよいのでしょうか。ネックプレートは交換可能なパーツなので、シリアルで年代を判別する事は危険に思えます。
他にシリアルナンバー判別、もしくはbass of doomのポットデイトや、ネックデイトをお知りの方がいらっしゃいましたら・・
ここで現行のjaco pastoriusモデルも見ておきましょう。
次にFender Custom Shop / Jaco Pastorius Tribute Fretless Jazz Bassのスペック表を見てみます。
■Hard Case付属
■Weight: ≒3.8kg
■Serial No.: R85130
[Body]
■Body Shape: Jazz Bass
■Body Material: Select Alder
■Body Finish: Nitrocellulose Lacquer[Neck]
■Neck Material: Maple
■Neck Shape: "C" Shape
■Scale Length: 34" (864 mm)
■Fingerboard Radius: 7.25" (184.1 mm)
■Number of Frets: Fretless
■Fret Size: Vintage-Style
■String Nut: Synthetic Bone
■Nut Width: 1.5" (38.1 mm)
■Neck Plate: 4-Bolt Serialized
■Neck Finish: Nitrocellulose Lacquer
■Fingerboard: Epoxy Coated, Slab Rosewood
■Position Inlays: Side Dot[Electronics]
■Bridge Pickup: Custom '60s Single-Coil Jazz Bass
■Neck Pickup: Custom '60s Single-Coil Jazz Bass
■Controls: Volume 1. (Neck Pickup), Volume 2. (Bridge Pickup), Master Tone
■Pickup Configuration: SS[Hardware]
■Bridge: 4-Saddle American Vintage Bass
■Tuning Machines: American Vintage Reverse Open-Gear Bass
■Pickguard: None
■Control Knobs: Knurled Flat-Top
■Fingerboard: Epoxy Coated,
Slab Rosewood
かなり分かりやすいスラブ貼りになっています。
ネックがもし60年製と交換されているならばスラブ貼りなはずです。この時点で、デカールの位置(60年製は''OFFSET Countor Body''のデカール位置がG弦ストリングポスト寄り、ヘッドの丸い部分を跨がない個体がほとんど)、''PAD PEND''の文字があるように見えない事からも62年製のものである事がある程度、断定できます。
しかし、ナット側で判断する限りではラウンド貼りなんです。
角度や解像度の問題で、そう見えるだけ
そう思ったので、こちらも
エンド側を見るとトラスロッドに被っているからスラブな気が・・・
いや、やっぱりラウンド貼り??
62-63年にはシックラウンドボードと呼ばれる、厚みのあるラウンド貼りのストラトキャスターも存在するようです。
しかし、62年の前半にそれはないような・・・
ただ、60年製のスラブ貼りは指板の厚みもさる事ながら、ヘッド側もかなり分かりやすい扇状のものが多いです。
つまりこのbass of doomは62年製のものをjacoがフレットを抜いて、ドラタイトを塗ったと見てもいいような。
その指板がスラブ貼りかラウンド貼りかは一先ず置いておいて・・・。
ネックエンド側がスラブであって、ナット側がラウンドに近い形状の個体が他にあれば、わかりやすいかなとは思います。
写真をじっくりと眺め、スラブ貼りではなく、ラウンド貼りなのではないか、ということを書いてる途中でシリアルナンバーからもちゃんと照らし合わせるべきだなぁと思い、
シリアルナンバーを見るとどうにもラウンド貼りに移行したと考える事が難しく、ここで断定する事はできない、というなんとも中途半端な結果となりました。
書く前は「ジャコのベースは実はラウンド貼りだった!」と言い切るつもりで検証しだしたのですが・・・。
勿論、60年製のフレッテッドはスラブです。
やはり扇状に指板接地面が膨らんでいます。
と、ここまで偉そうに言ってきましたが、このネックの謎(ナット側の指板接地面が直線であること)についてはKORGの中原裕一さんに教えていただきました。
そのあとも何時間もjacoについて色々と教えていただき、話し込んで盛り上がりました。中原さんありがとうございました。
みなさんのご意見もお待ちしております。
今回はあえて過去のインタビュー記事など、そういった文献ではなく、実際の写真を通して、どうだったのかを議論しようと思い書きました。
さて、どうだったでしょうか。
こんな風にいくつも写真を並べてじつくり見る事もあまりないかもしれません。
音で判断するならば、ジャコはスラブであろうが、ラウンドであろうがきっと同じ音を出せますし、フレッテッドでも本質は変わらないと思っています。
音を構成する大きな要因は主に右手のピッキング、そしてアンプの音色、ピックアップの特性、
その他のベーシックな部分でこういった木材の変化なんかが作用するとは思いますが、最終的に出てくる音は音源を聴けば答えが出ています。
やはりjacoの話をしていると楽しいものですね。謎が残る部分があるからこそ、こんなにもネタに尽きないのだと思いましたが、それもこれもjacoの魅力なのでしょう。
こんな話を肴に酒でも飲みたいものです。
では