ネコって可愛いですよね。
いろんな模様があって、茶トラ、ぶち、白、黒、ミケ・・・
ネコを見ていて思ったんですけど、木目ってなんだかそんな猫の模様に似てますよね。みなさんお好きな木目はありますか?
ちなみに僕は大型犬派です
てなわけで、今回は木目だったり、年代毎の基本的なスペック、そんなものがどんな変遷を経てきたのか、書いていきたいと思います。
では、いつもの合言葉いきますよ!
みなさん、
木目
愛でてますか〜!!
と、やったことも無い変な入り方をしてしまいました。
ジャズベースのボディにも代表的なアルダーの他に
バスウッドやアッシュなども使われています。
前回、サンバーストにも年代によって色味が異なると書いたのですが、63年頃から個体によって最初の黄色着色がのっぺりとしたものが見られるようになります。
僕は個人的にそんなアルダーの木目が見えないサンバーストが好きだったりするんですが、そもそもサンバーストってどんな感じで作られるんでしょうか。
って、ことで昔にやったリフィニッシュなんですが、その過程をペイントソフトでまとめました。超単純です。
まずはそちらをご覧ください
リフィニッシュに挑戦する時はもっと詳細に紹介してくれているブログも沢山ありますのでそちらを参考にしてください・・・
サンバーストの作り方
ここにアルダーのジャズベースボディがあります。
これは無垢材だと思ってください。
形を切り出して、ヤスリがけした段階です。
そいつに着色していきます。まずはサンバーストで一番内側の黄色を決めちゃうわけです。
私の好きな不透明着色、のつもりです。
この上にウッドシーラーというものを塗ります。
こいつは目止め剤というものでして、木材に塗料が吸い込まれてしまうのを防ぐ役割をします。これを塗らないとなんだかぼこぼこ、木が吸ってしまうところと段差ができてしまい、いつまで経っても綺麗な平面が出ません。(経験則)
ウッドシーラーに色はありません。
そしてこの上にサンディングシーラーというものを塗ります。これも白濁した液体ですが、乾いてしまうと透明です。
また塗るんかいという感じですが、これは下地作りで大事な役割を果たします。省略する方もいるようですが、僕は石橋を叩き壊すまで叩く慎重派なので・・・
サンディングシーラーは塗ったあとに削ります
削るといっても薄くサンディングシーラーの層を残します。
こいつはファンデーション的な?
メイクをしないのでよく分かりませんが、肌を平らにして、その上にメイクが乗りやすくするようなイメージです。
塗料の食いつきが良くなるんですね。
▲横から断面図で見るとこんな感じになってます。
木目がおかしな所に入ってますが、気にしないでください(笑)
最後にサンディングシーラーを塗って、平面を出すと、その後の塗装の乗りがよくなります。
アルダーは木目も薄く、凹凸は少ないのですが、導管があったりと木材ならば少なからずボコボコしているんですね。画像では分かりやすくするために大げさにしてます。
その後に外枠である黒を塗っていきます。
こんな感じで、サイドをがっつり塗って、
境目を少し散らしてぼかした感じにします。
そして、シースルーレッドで黄色と黒の間を
塗るとあら不思議!
立派なサンバースト!
(本来はもっと緻密な作業ですが、あくまで素人のやり方です)
こんな面倒な過程で塗られていくんですが、
最初の黄色着色でその個体の表情が決まるんですね。
私のように不透明着色の黄色と赤の綺麗なコントラストが好きな人がいたり、
木目がうっすら見えて、全体的に暗いトーンのサンバーストを好きな人がいたり、
赤の退色したツートーンサンバーストを好きな人がいたり・・・
単にサンバーストというだけでも、その表情の好みは十人十色です。
これから紹介するジャズベース、もしくはみなさんが購入を検討される時にはそんな色味も気にしてもらえると楽しみが増えるかと思われます。
そしてジャズベースの魅力はそんな色味の他にも沢山あります。
ハードウェアの変化
例えば、ペグ
これは前回のエントリーでも触れましたが、60年からクルーソン製の逆巻きペグというのが一般的でした。
しかし、66年になるとfenderはペグを自社生産し始めます。fender社にとっては大きな転換期を迎えた事がきっかけです。
それがCBSによるfenderの買収です。
テストに出そうな言い方になりましたが、実際fender社を知る上では必ず通る道です。
CBS(Columbia Broadcasting System(コロムビア放送))といえばアメリカで最も大きなラジオ、テレビ放送局の会社です。ニュースなどで名前をご存知の方もいらっしゃると思います。
そのCBSは多角経営への取り組みの一環でfender社を65年に買収するのですが、それまでの小規模ながらも高品質なfenderは大規模な量産へとシフトしていきます。
そして、ジャズベースへもその波が訪れ、66年が一番特徴的なモデルとなる訳です。
それまでのジャズベースとパッと見変わらない印象ですが、
自社生産になったペグは通称パドルペグと呼ばれるものになります。
それまでの逆巻きから現在主流となる順巻きへ変更され、先が3つに割れたチューリップ型のノブから丸っこい形に変わります。
この丸っこい形がカヌーなどのパドルに似ている事からそのように呼ばれています。
パドルペグのネックで船を漕いだら推進力はどのくらいなんでしょうか。当時のfenderはそんな楽器の大海原を掻き分けて現在も勝ち残っているので、さぞかし力強いフォワードストロークだったのでしょう。
その他のパーツにも変化は見られます。
66年、ネックにはバインディングが施されます。
バインディングはレスポールなどにも見られるセルロイドなどの樹脂による枠のことです。
これもCBS期の特徴でしょう。
見た目の高級感を重要視している事がわかります。このバインディング、あるのとないのとで何が変わるかというとフレットの打ち替えでしょうか。
フレットの返しの両端を切ってやらないとバインディングに干渉して割れてしまうんですね。工房などでも手間賃がかかります。
あとは指板の欠けなど保護の目的もありますが、音としてはそこまで影響はないように思えます。
このバインディングが付いたあとに、ポジションマークもブロック型に変更されます。
巷では66年初期のジャズベースはバインディングドットと呼ばれ、人気も高いモデルです。
見た目が可愛いですよね。
あどけなさがどこか残るものの、気品を感じる佇まい。良い所のお嬢さんといった感じでしょうか。
66年でも中期以降はバインディングにブロックポジション、そしてフレットも太いタイプに変わります。
意外と違うんですね。
ブロックポジションマークはインパクトがあり、より華やかな見た目になります。
演奏上の視認性ではブロックポジションに軍牌が上がるでしょうか。
ここまでくると堂々とした凛々しい印象です。
ちなみにこの頃に下地処理がラッカーからポリエステルに変わりました。クリア層がポリエステルになって、その上にラッカーで塗装をするスタイルになったようです。
私の所有している(シリアルナンバーを根拠とすると)71年製のジャズベースはこのように
表面の塗料は劣化により剥げていますが、直接素地が露出する前にクリア層が現れます。
貫禄のある剥がれ方をしてくれないのが難点です・・・。
そして69年以降はロゴも金字から黒字へ、JAZZ BASSの文字も大きくなります。
こちらは75年製(髙橋和希君所有のジャズベース)
より広告的な役割を果たすように作用していることがわかります。
CBSによってfenderはそのブランドネームを押し出し、より商業的な楽器製造を行うようになった、と
商売としては正しい在り方だと思いますが、65年を転換期としてfenderへの見方を変える方もいらっしゃるかと思われます。
かのjaco pastoriusも65年以降のfenderジャズベースには良い印象は抱いていないようでした。
さて、ボディ材にはアルダーの他にも使われていた木材があると前述しました。
次に大きな変化を遂げるのが70年代に入ってからです。
新たなスタンダード誕生
あるベーシストによって、このモデルも有名ですね。
次世代のベーシスト、NYサウンドの始祖とも言えるMarcus Millerです。
彼の愛用しているジャズベースは77年製のものなのですが、
輪郭のハッキリとしたトーン、力強くもメロディアスなスラップ奏法、そして凄まじいグルーヴ。
Marcusは初めてJacoを聴いたその日からあまりにも衝撃的でプレイヤーからしばらくJacoのレコードを下ろせなかったそうです。
彼もまたJacoの意志を継いだベーシストなのです。
しかし、プレイスタイルや音色からJacoを感じる事はほとんどありません。それは使用ベースからも伺えます。
Marcusのジャズベースはピックガードの形が印象的ですね。
fenderのジャズベースでありながら、当時はまだリペアショップであったsadowskyの代表、Roger SadowskyによってbartoliniのTCTが内蔵されています。そのサウンドはまさに都会的。
ただ、現在のfenderで販売されている75年モデル(またはそれも模したコピーモデル)のジャズベースが本来持っている音質も、近いものでもあります。
重いアッシュボディに3点留めのネックジョイント、1ピースメイプルネック指板の持つ芯のある低音はこのモデルならではでしょう。
それまでのアルダーボディ、ローズウッド指板のジャズベースに見られるような甘い中音域とは正反対に位置します。
俗に言う、ドンシャリサウンドというやつです。
これは中音域をカットして、低音と高音を強調した時の音を擬音で表現した呼び方なのですが、グラフィックイコライザーなんかだとV字型を描いたセッティングになります。
太い低音に、きらびやかな高音、バンドサウンドでも抜けてくる音で、お好きな方も多いと思います。
特にスラップの時なんかは派手に鳴り響いてくれるので、弦を張り替えた時などはついつい時間を忘れて叩いてしまいますよね。
彼も現代でのベースのサウンドに大きな影響を及ぼした重要なベーシストの1人です。
勿論、挨拶替わりのスラップが代名詞のようなものですが、指びきも極上です。
そしてフレットレス(アルバム「Free」収録の「When i fall in love」や「tales」収録「True Geminis」でもその素晴らしいプレイが聞けます。WRのような曲。)
も弾くのですが、彼はトロンボーンやクラリネットもこなすマルチプレイヤーなので、フレットレスの時はそんな管楽器で培った歌心が最大限に活かされているようにも思われます。
マルチプレイヤーぶりが見られる演奏です
MARCUS MILLER WHEN I FALL N LOVE
Marcusの指弾きも恐ろしいレベル。
Marcus Miller warming up for Billboard Live Tokyo show
そんな70年代の代表的なモデルは62年モデルと並んで現在でも人気です。
日本のAtelierZ(ゼットではなく''ズィー'')もこの70年代のジャズベースを下地にしています。
(このブランドの旗揚げのきっかけともなった日本の名ベーシスト青木智仁さんが使用していたMarcusと同じ77年製のジャズベースに更にオリジナリティを加えたモデル。)
プレイはもちろん、人柄の良さが出ていますよね。
90年頃だか(失念)の教則ビデオでは青木さんはフレットレスも弾いています。そして何よりも小ボケが面白いのでオススメです。
(現在はその教則ビデオの一部がニコニコ動画にアップロードされているのを見かけました。)
このように現代に残るジャズベースは
60年、62年、75年をそれぞれモデルとしたものが主流となっています。
個人的にはfender japanなどで66年モデルとか出ないのかな、と思ってしまいますが、
この3モデルはそれぞれ使っているパーツや、木材の特徴などもあって個性がたっています。
これからジャズベースを購入しようと思っている方は、それらの特徴を比較して、自分が欲しい見た目や音を決められると良いと思います。
バンドや気分によって使い分けるのも、ジャズベースにモテている感じがしてかっこいいです。
今日は派手なギャル、明日は清楚なお姉さん、明後日は可愛い後輩、みたいな
え、悔しくなんかないですよ。
こぶしを握っているのはジャンケンの練習ですよ。
そんなことよりジャンケンの時に「最初はグー」という掛け声を作ったのは「8時だよ!全員集合」なんですよ。諸説あるらしいですけどね。
では
追記:
あのJacoの弟子、変態フレットレスベーシスト
Michael Manringが初来日です!
Michael Manring Japan Tour 2016(マイケルマンリングジャパンツアー)|ライブ/コンサート/ツアーのチケット情報・販売・購入・予約|e+(イープラス)
- ブリッジは1つの弦につき、チューニングを3可変する事のできる機構、ヘッドは全弦ドロップチューナーを取り付けるための特注サイズ、ネックは中空になっていて、中にピエゾが仕込まれている。ブリッジ下にもピエゾ。
- 4本のベースの内2本は自分で、残りの2本をファンに持たせ、曲を演奏する、謎のファンサービス。
- ギター用のE-bowを削ってベースに用いる。
Michael Manring - My three moons - Bass Day 98
意味不明だと思った人はライブで確認しましょう!
そして10月15日、渋谷Aubeで僕と握手!