今回はペグのお話。
ご存知の通り、ジャズベースのペグはオープンギアタイプです。 フェンダーでは、65年までクルーソン製のものが使われていました。 逆巻きというのもこの辺りですね。そこからはフェンダーの自社生産に切り替わるのですが、今回はペグの中でもリプレイスメントに関してでございます。
ネックができないことには先に進めないのですが、ネックがないのなら先にペグを買えばいいじゃない、という。貴族的発想の転換により、本エントリーとなりました。
今回買ったのは「Orville by Gibson」についていたというペグ。 ギブソンに寝返った、という訳ではないですよ。もちろんギブソンも好きですけどね。 多分、某オークションを隈なくチェックされている方にはどれを買ったのかバレてしまうと思いますが、これね、どうやらGBR640のようなんです。
あのゴトーガットの特殊ジュラルミンを使用した超軽量ペグです。1個64gくらいの。 肉抜きといい、逆巻き仕様といい、あれ、これゴトーじゃない?と
即入札で、そんなに上がることもなく、ゴトーの新品定価の半額ほどで手に入りました。嬉しいですね。
ペグだけは見た目でどうこう言えるものではなく、安いヤツだと精神衛生上よろしくない。チューニング精度も向上する分、この辺りはなるべく新しいものの方がいいです。
素直にゴトー買えば良い話なんですけど、今回のコイツはくすみ具合が最高でして…。新品のペグも良いんですけど、ピッカピカだと浮いてしまうので、多少のくすみは早めに出て欲しいんです。 あれ、なんかさっきと矛盾することを言っている気もしますが、気にしない。
そのペグについてなんですが、これまで貧乏カスタムをしてきた私はめちゃくちゃ安い工業製品のペグを買ってみたり、ヒップショットを使ってみたり、落ち着かない感じだったんですけど、やっぱ最終的にはゴトーが安定しているな、と感じた次第です。
拘りとしては、 * 逆巻きであること * ベースプレートの角が出っ張っていること(クルーソンと同じ) *ボタンが付いていること
ボタンが付いていることが何よりも優先していることです。 現行品や68年以降のフェンダー社製クローバータイプのペグはシャフト部分とツマミ部分の留め具にボタンを使っていないのですが、これがもっさりしていて好きになれないんです。
現行品のジャズベースタイプにはよく取り付けられています。上記の理由で71~3年のフレットレスジャズベ以外私はこれらを片っ端から外しています。残念ながらビンテージ教の戒律なんですよ。
シュッとしていて、逆巻きで、ベースプレートは裏から見たときにメカメカしている方がいいです。超軽量のギア部分が最小に作られたものもありますが、あれはあれでなんだかちゃっちいというか、見た目が頼りないし、利便性のみを追求した現代感が苦手です。ビンテージ教の教えの上でこの辺りは厳格に定められています。
あとはクルーソン型のチューリップのようなツマミの鋭角な角度の方がクローバー型に比べてトラディショナルで好きです。現行のはのっぺりしていて、手作りクッキー感がね。愛嬌があって可愛い感じはありますが、私はジャズベに可愛さではなくクールビューティーを求めていますので、剥ぎ取ります。シュッとしていてクールなものが正義だと、ビンテージ教では教え込まれています。
工業製品の安物ペグはその辺をクリアしているのですが、ギアが妙に軽いのが気になってしまいました。時々空回りしているのか、ギアがぴったり噛み合っている感じが弱いんですけど。
(偶然ペグにジャコが映り込んでしまいました。本当に偶然。)
今回作っているコンポーネントベースはあくまでビンテージジャズベースを意識したものなのですが、先人の方々の「軽量ペグはオーガニックな鳴りがする」「軽量なことでミッドが出る」という言葉の魔力にまんまとノックアウトされ、60年代を目指すのならこれしかないじゃないか、という結論に至った訳です。 先人は偉大ですね。後発の強みはそう言ったところで、素直に従って同じ轍を踏まない、という点です。 「買ったは良いけど合わない」という失敗を気にすることなく、ジャズベースを愛でることのみに注力したブログを目指しているので、これはありがたいです。
コンポーネントジャズベースの進捗
ペグについてお話してまいりましたが、肝心の取り付けるネックについては、ちょっとした問題が生じております。 というのも、ネックをオーダーした工房が音信不通になってしまったんです。とりあえず返金してもらえないか連絡しているのですが、こんな形で企画倒れにされるのは、個人的に嫌なので、自ら企画を倒しにいきます。
現在、新たなオーダー先が決まりかけている状態なので、これは決まり次第エントリーにて報告しようと考えておりますが、大きく舵を取り直すことになります。 これまでは初心者に易しい10万円以下のオーダーベースというものでした。 しかし、今のような状態になって、「ネックはベースで最も重要だと言っても過言ではない」と。 換言すれば「一番金をかけるべき」ということになります。いえ、ということにしました。
使うのは私自身で、それを紹介する訳ですから、安かろう悪かろうでは読んでくださる方にも申し訳ないし、自分も押し入れの肥やしになるんじゃないかな。だったら価格を抑えて良いものを紹介するか、価格相応に良いものを紹介するか、という話になってきます。 ここは私自ら人柱となり、礎を築くべく、まだそこまで大きく取り上げられていないであろう工房にしようと考えています。
めちゃくちゃ贅沢してオーダーする予定なので、もはや企画はただの「めっちゃ良いジャズベースを作ろう」企画になりました。 それでも超高いそんなに好きでもないハイエンドを買うよりは、お得ではあると思うので、サーキットなんかは是非とも参考にしていただければ、と思っております。
一旦大まかなパーツだけおさらいしておきます。私も何紹介したのか忘れそうなので…。
ボディ MJT、ここは本当に良いです。丁寧ですし。レリックの精度も高く、ボディ材はオールパーツ製のものから厳選したものを使ってくれています。軽量で、極薄ラッカー、なのに3万円代で買えちゃう高コスパな工房です。
ポット CTSへそ付き250ΩAカーブ。あまりに王道なので、まだ紹介していませんが、多分ボリュームポットはちょっと変わったものにするかもしれないので、そのとき紹介しようと思います。
ジャック PureTone製の4点支持ジャック。ノイズ知らずで、ホールド感抜群。400円ほど
コンデンサー モントルーの0.1μF セラミックコンデンサー もしくはLuxeのレッドダイムリプロモデル 多分いくつか試してしっくりきたものを選定含めて紹介しようと考えております。これは多分次エントリーくらいにちょっと書くかもしれません。
配線 現在選定中 1950年代のベルデンのクロスワイヤーかな〜とモヤモヤしながら決めかねています。これも実際何個かサーキット組んでみてからですね。
PU Bare knuckle 60’s HFは紹介しました。なかなかバキっとしたサウンドで、パワーはあるもののコンプ感というか、正直弦の寿命が長くて、ドンシャリな感じが拭えません。でも良い所は段々と 見えてきました。コストパフォーマンスが良く、とりあえず全部これに交換したいくらいクリアな出音。 もしくはSeymourDuncun のWeather Reportに戻るか、これもネックとの相性を見て決めます。
ブリッジ モントルーのフェンダービンテージ型のもの。くすみレリックが施されたものでなかなか可愛い。ブリッジは多分これで確定です。
ペグ 今回ご紹介しましたゴトーのGBR640(と思われるもの)
まだまだ先は長いですね。
気になるネックは、どこになるのでしょうか。
待て、次号!
では。